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秦こころの狐面
東方プロジェクト第13.5弾、東方心綺楼のストーリー最後の相手であり、新規キャラクターである秦こころ。面霊気である彼女は様々なお面によって自らの心情を表現しており、そのお面のうちの一つが狐の面。
狐面堂ではそんな彼女の狐面を、房本デザイン工芸に制作を依頼。房本デザイン工芸は当店ではお馴染みの工房で、伏見稲荷等に狐面を卸し京都土産として高い評価を受けています。そんな本物の職人が作った本格的なお面を皆様にお届けします!
狐面を彩る二種類の絵付け
東方心綺楼の作品中で、秦こころの付けている狐面は黒い凄みをまとって登場します。
また、暗黒能楽集心綺楼のジャケット裏イラストを見ると、狐面は無地であるという設定のようです。ならばいっそ、両方のタイプを二種類の絵付けとして表現してしまえばいいのでは?ということで出来たのが、白狐面と斑狐面です。
それぞれの魅力を持った狐面を、お好きな方の絵付けでお届けします。
現代に残る張子の面職人 房本武義
このお面を製作する職人、房本武義は昭和12年9月に生まれ、2013年現在で御年76歳。元は厚手の紙を使ってマネキン人形の製作をしていたが、面作りの魅力に惹かれ、マネキン製作の技法を応用して張子面の製作を開始。それからもう40年以上も張子のお面を作り続け、京都の鞍馬や伏見稲荷等を中心にお土産物屋には彼が製作した様々なお面が並びます。
京都で販売されているような狐面も今となっては中国産がほとんどで、国内産のお面専門張子職人はほぼ全滅してしまったとも言えるような状況下で、彼は今日もお面を作り続けているのです。
張子細工とは?
日本伝統の玩具を作る工法であり、招き猫や達磨も同様の手法で作られています。まず粘土から型を作り、その型に和紙を何重にも貼り合わせていくことで、しっかりとした丈夫な造りながら、軽い仕上がりになっていきます。
この狐面はその伝統的な張子細工に房本氏独自の製法を加えることで、更に装着しやすいお面になっています。
伝統的な江戸打ち房付き紐を使用
お面には付きものの紐には、和人形や兜飾り、巾着袋などにも使われる江戸打ち紐を使用いたしました。
素材には人絹(レーヨン)が使われており、絹糸に近い光沢と手触りを持っています。
先端には房が付いており、お面着用時に後ろから見た場合や、お面の左右に垂らした場合に見栄えのする紐です。
イラストレーター:ゾウノセによる立体デザイン
お面には前を見るための穴があり、その位置は人間の目の高さに合っている必要があります。
このため、装着することを前提でお面を作る場合、原作の形を完全再現することが必ずしもよいとは限りません。キャラクターの顔は実際の人間とはバランスが違うため、完全再現をした場合目の位置が低くなりすぎて前を見ることは出来ないでしょう。
そこで、当店では原作に登場する狐のお面を装着可能なものにするため、東方プロジェクトの同人活動で活躍しているゾウノセ様に立体化用のデザインを協力していただきました。
そして製作いただいたイラストをベースに、立体化したのが今回完成した狐面です。